翡草庵日乗

文化的半自給自足生活を旨とする地方中核都市に引っ込んだアラ40男子の日々の雑事記

20190403

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玄関飾りを変える。

 

画:紺谷光俊筆「桜花小禽図(仮題)」

花:野咲ヒヤシンス、野薔薇

花器:不詳瀬戸風黒釉掻落舟形水盤

 

アレルギーが寛解しない。18キップの残りは無駄にしてしまうかもしれない。毎度のことながら困った体どす。

 

色紙の小禽は桜が山桜だしミヤマホオジロだと思うのだが確証はない。作者の紺谷光俊は山元春挙に師事して円山派を修めた美人画では今猶人気のある北陸の画家である。前回の思文閣交換会に光俊の美人画が出品されていた。スタート価格は5万円で上手いのだけど面白味の無い画で入札は見送った。光俊に限らず円山四条派の画風で良いと思う美人画家はいない。三木翠山などが典型で上手いけど退屈なのである。西村五雲などは芸妓を見ると公衆便所を連想してしまうと言うくらいで美人画の類は見たことがない。菊池契月は良いと思うが彼の美人画は円山四条派からのものではない。光俊は美人画で有名な培洪庵コレクションにも蒐集されていてそのコレクション品は良いものだったと記憶しているが上村松園さえも好みではないのだ。美人画は浮世絵出身の鏑木清方一門や北野恒富、山川秀峰などの大阪画壇の方が艶めかしく魅力的な女性を描くと思う。文学で言えば谷崎潤一郎的と言ったところだろう。僕の美人画の選定基準は美人か否かではなくその画のモデルの人となりを知りたいと思うかどうかである。光俊のその美人画は知りたいとは思わなかった。例えるなら街ですれ違っても振り返るけど絶対に声は掛けない女だ。話すとガッカリするからだろう。

 

ちなみにその光俊の美人画は12万円ほどで落札されていた。手数料が乗るので一幅約14万という計算になる。日本画の相場が崩落して久しい昨今中々の値付けだと思う。作者不詳省三銘落款の花鳥画は技術的にこの光俊の花鳥画より上手い。美人画花鳥画だと大分相場は変わるのだけど、それでも一幅10万を超える作家より花鳥画を描かせれば上手い作家の正体は誰なのかと京都の例の画廊まで持っていったのであるが、あの程度描ける人は全く無名の画家でもざらに居たのだそうだ。そのざらがどの程度ざらなのかが問題なのであるが、少なくとも全く画家としての実績が資料として残っていない作家であれだけ上手い色紙が売りにでることは大変稀である。年に一枚当たるかどうかというとこだろう。画廊の店主は展覧会出品などは一切しない金持ち子飼いの画家だろうと言うのだけど、例えば展覧会出品のほとんど無い上島鳳山なども住友家に養われていたけれど、その画業は資料として残っている。そして、省三銘の花鳥画の画風が所謂円山四条派なのであるから京都画壇に師事していた作家の可能性が高いと思うのだがそこは画廊も認めているのである。地方都市在住で現地富限者の庇護の下一生を過ごした無名画家というのなら話は分かるのだがあれだけ描けて京都に居たことがあって果たしてパトロンの世話になって一生を過ごしてそれで良しとするであろうか。パトロンだって子飼いの画家が売れれば谷町としての鼻が高いので猶更作品発表を後押ししそうなものである。

 

結局省三の手掛かりは全く得られなかった。唯一の有益な情報は児玉希望の本名省三銘の作品を見たことはその画廊は一度も無いという事だった。どうにもデッドエンドである。