翡草庵日乗

地方中核都市に引っ込んだアラ40男子の日々の雑事記

20180913

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先日の夕の御膳である。

 

福山港産鯊と自家栽培玉葱の南蛮漬け

茶碗蒸し

芦田川産天然鮒の西京焼き

芦田川産天然鮒飯

 

岡山朝日吟醸

 

器;現代安物染付長角皿、現代物志野鉄絵長角皿、自作備前飯椀、不詳色絵茶碗、加藤春県造黄瀬戸片口、大前悟造信楽猪口

 

とりあえずフナである。味はやはり鯛に似ている。特に皮目を炙ると香ばしく美味い。そして味噌との相性が良い。この辺は経験則が効いている。味噌汁というか味噌で煮込んで食すことが歴史的に好まれたようだからだ。

 

しかし、味噌汁や煮込みでは不十分でフナの身の奥まで味噌のパンチ力が届かないだろうと思い西京焼きとした。これは正着で半日の漬けでは足りないくらいで一泊二日くらいで丁度良いと思う。そして生姜を擦った方が良いだろう。皮目に乗った味噌がフナの脂と溶け合い焦されて香しい。

 

日本酒は三重の「作」。日本酒ではこれが一番のお気に入りだ。酒器は春県の黄瀬戸片口と大前悟の信楽猪口を選んだ。大前さんがまだ信楽信楽焼しか焼いていなかったころのもので、この頃の彼の信楽が一番好きである。

 

そして、もう一品は鮒寿司ならぬ鮒飯だ。これも味噌汁にして美味いなら出汁が良いと思ったからでスマッシュヒットだった。フナの食し方としてこれが一番美味いだろう。鯛飯より美味い。鯛ほどアクが強くないからである。

 

フナが美味いか不味いかと言えば、条件付きで美味い。相当腕に覚えが無いと辛いかもしれない。釣り好きな旦那が釣ってきても腕の無い嫁には荷が重いと思う。

 

思うにフナに限らず川魚が不味い、臭いとの風評を得てしまった大きな理由は流通の未発達な頃の鮮度管理の問題に起因すると思う。確かに海水魚よりも淡水魚の方が足が速いような気がする。特に内蔵のイタミが早い。よって商業ベースだと昔は鮮度を保つのがかなり困難だったろう。なぜなら高級魚で単価が高いのなら別段そうでないなら殊更迅速丁寧な取り扱いは経済合理性の観点からできないからである。

 

そして一度付いた悪評はそう簡単に取れず、耳年増の食べず嫌いを生む。そしていつしかその悪評が固定化して売り手も売るのを諦めて市場から駆逐される。益々不味くて食えない魚だという固定観念が生まれる。全く悪循環である。

 

その上フナは鱗が固く、骨がましいことこの上ない。食べ難いのだ。これでは中々人気は出ないだろう。

 

家の前の港で少し鯊が釣れるようになってきた。南蛮漬けは開けないくらい小さい小鯊が一番適任だと思う。

 

本日もジビエで一食設えた。原価は100円切っていると思う。