翡草庵日乗

地方中核都市に引っ込んだ文化的半自給自足主義者の日々の雑事記

20191006

f:id:catastropheca:20191003234332j:plain先日京都で友人をアテンドした折に、念願だった西村五雲旧居へ寄る。友人には無駄なお金を使わせてしまって申し訳ない事をした。そのくらい受けたサービスは間尺に合わないものだったけれども、僕としては五雲の生きた空気に触れることが出来たような気がして十分楽しめた。

 

しかしながらやはり残念なのは、この建物の現所有者に日本画の造詣が全く無さそうな点である。床に五雲のお軸を飾って、食通だった五雲が通うような料理屋に戻して欲しいと思う。

20191001

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玄関飾りを変える

 

画:佐野光穂筆「時雨坂」

花:庭咲万年青

花器:金屋五郎三郎造唐銅耳付霊芝脚薄端

 

画の作者佐野光穂は菊池契月に師事して四条派を修めた後、富田渓仙に師事して南画風な画風に転じている。この一幅は四条派のそれで渓仙入門前のものだと思う。

 

モチーフのハッカチョウは烏に似た祥瑞の鳥でしばしば日本画のモチーフに用いられている。潤いのある空を背景に実の付いた蔦の絡まる枯れ一枝に止まる三羽のハッカチョウがそれぞれ異なる表情で時雨に反応している様がイキイキとして面白い。

 

台湾人の嫁とスイス人お夫の古い友人夫婦が来日したのでまた京都でアテンドの日々だった。9月に先物で負けなければ祇園のギャラリーの秋のセールを冷やかすつもりだったが散財せずに済んだ。代わりに天神さんの骨董市でガラクタを3300円買って友人も満足してくれた。

 

鰻、串揚げ、湯豆腐、焼肉と食べさせて焼肉に食いつきが一番だった。そんなものである。

20190928

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玄関飾りを変える。

 

画:森公挙筆「秋の幸」

花:不詳貰い花

花器:不詳備前銅鑼鉢

 

画の作者森公挙は師事した山元春挙の師匠である森寛斎の孫にあたる。春挙も気苦労が多かったのではないかと思う。

 

画の松茸などは凡円山派の基本通りのもので、能く描けていると思う。落款印章が春挙ならそう信じてしまうだろう。

 

6月に新規で買った個別の小型株が2倍になった。利喰ってなんぼなのだが、数年分の費えにはなるだろう。税金の関係もあるし、当面利喰う予定はない。2倍程度で終わる株とは思ってないのである。

20190825

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玄関飾りを変える。

 

画:伝横山大観筆「秋草に翡翠図」

花:野咲秋桜、矢作薄、鉄砲百合、金水引

花器:越中古府焼水盤

 

画は弊コレクション最大の巨匠銘落款の入った夢のある一幅である。真作とは期待していないが葦の線の美しさや洒脱に描かれた翡翠や露草が良く描けていて気に入っている。合い箱だったが気にしていない。大観の供箱は美術館登録済のものでも箱書きが酷いものが多くない方がマシなのではないかとさえ思う。洒脱に描かれたハナクソのような画も多く真作認定されていて細密に描かれてないからダメとはならない画家だからである。

 

花は朝夕に秋の気配が色濃くなって野辺に花材が増えた。花器は越中古府焼の水盤で得体の知れないマット系の白釉の梅花皮が美しい。

 

鰻が一本ずつながら毎回釣れている。今週からは海でチヌも釣る予定である。

 

 

20190817

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玄関飾りを変える。

 

画:広田百豊筆 「金魚之図」

花:野咲金水引、不詳野咲君子蘭擬き

花器:不詳京焼風黒釉掻き落とし舟型花器

 

画の作者広田百豊は竹内栖鳳に師事して四条派を修めた。花鳥図を能くした北陸の画家である。特に金魚を描かせると上手い。金魚と言うと土田麦僊の剽軽な金魚が有名だが百豊の真面目な金魚も一見の価値がある。

 

花は立秋を過ぎていよいよ金水引の季節となった。毎年金水引を生ける頃にはその年の盛りを超えたような気がして寂寥感がどこかわからないところから横溢するのである。もう一つの花は形状から凡君子蘭の類だろうが詳細を知らない。

 

そろそろ海川両方で釣りを再開しようと思う。

 

 

20190816

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玄関飾りを変える。

 

画:三宅凰白筆「舞妓図」

花:鉢植咲薔薇

花器:高原昌治造備前窯変花入

 

 

画の作者三宅凰白は山元春挙に師事して円山派を修め、時代画や能画などの人物画を能くした。このような美人画の類も描いているが、妖艶さは無く培洪庵コレクションなどには連なることのない画風である。同じ円山派の美人画家紺谷光俊などとは凡趣を異にするのである。

 

 尤も、玄関先に飾るには凰白の方があっさりしていて良いと思う。玄関先に山川秀峰や北野恒富があってもちょっと家人の趣味を疑ってしまう。

 

花入は近所のリサイクルショップで700円で買い求めた高原昌治の備前である。本来は酒器だと思うが花入にした。燗で飲むことのほとんどない上にサイズ的に僕には大き過ぎるからである。

 

台風10号は異例のコース取りで霊峰石鎚山の西側面から侵入して来たので肝を冷やしたが、80kmほど西を通過したので大事無かった。瀬戸内海で東へ進路が変わっていたら危なかったが、そこで偏西風に乗るくらいないらそもそも石鎚山の西側から北上するコースは無いのだろう。つくづつ石鎚山の位置が絶妙なのである。